2010年12月2日木曜日

Pocket Oxford American Dictionary

Pocket Oxford American DictionaryPocket Oxford American Dictionary という辞書を Amazon.co.jp で発見、インターネットで調べてもあまり情報が見つからないので、かえって興味を持ち、円高のこのチャンスに買ってみました。まだ使い始めて間もないのですが、この辞書について書ける範囲で書いてみます。

一言で言うと、やはりというか、Pocket Oxford English Dictionary(POD) の米語版といったところです。内容が POD とよく似ています。一部の定義や囲み記事中の語法解説などは、POD と全く同じです。Pocket と名乗りながら全然ポケット大ではないのも、POD と同じです。

ですが、一部の定義は POD に比べると若干詳しくなっています(POD の定義は非常に簡潔です)。用例も POD よりやや多いです。発音記号も、大体の単語に表示してあります。その一方で、語源やスペリングの解説欄はありません。

辞書はペーパーバックで、しかも、縦横の尺が POD よりも大きいです。机上でページを広げたまま置いておくことができます。

価格は POD よりもやや安いですが、これはペーパーバックだからでしょう。辞書の内容そのものは POD より劣るとか内容が際立って少ないとか、そうした印象は私は受けません。

POD と同様、ネイティブ向け英英辞典としては定義が分かりやすいですし(個人的には、定義が簡潔すぎる POD よりも分かりやすい)、用例も少しあるので、POD よりも読みやすいです。ペーパーバックというのも私には使いやすいです。

もっとも、これでも我々英語非ネイティブには、学習用として使うには語法の解説、用例が少ないです。学習用には、やはり Oxford Advanced Learner's Dictionary(OALD)などの非ネイティブ向け学習英英が最適でしょう。こうした学習英英を使う段階よりさらに上を目指す人が、最初の一歩として、今回の POAD や POD を使うと面白いかもしれません。

今後、もっと使い続けると、違った感想を持つかもしれません。

[関連記事]

◇ Pocket Oxford English Dictionary

2010年11月19日金曜日

電子辞書 VS. 紙の辞書

電子辞書と紙の辞書、どちらが英単語の定着に効果的かという議論をときどき目にします。

■ 電子辞書派の主張

電子辞書派の主張は、短時間で検索できるしその分何度も引ける、複数の辞書を一度に検索できる、他の単語にジャンプしたり例文検索もできる、発音が聞ける、履歴機能があるので復習が便利といったものをよく見かけます。

■ 紙の辞書派の主張

他方、紙の辞書派は、一覧性に優れている、周辺の単語も目に入りその分学習効果がある、書込みができる、苦労して引いた方が覚えられる、(これとは矛盾するが)慣れれば紙の方が検索が早くなる、といった主張をよく見かけます。学校によっては、電子辞書の持込使用を禁止しているところもあると聞きます(もっとも、これは学習効果とは別の理由によるのかもしれませんが)。

■ 両者の比較の研究がある

実は、電子辞書と紙の辞書の比較の研究が行われています。またそれぞれの単語の定着の程度を、実証的に研究する試みもあります。

先行研究をまとめたもののうち、比較的最近のもので、インターネットで無料で読むことができるもののリンクを貼っておきます。いずれも、国立情報学研究所が提供するサービスCiNiiへのリンクです。

◇ 藤井数馬(2008)「紙の辞書と電子辞書の比較に関する報告」『沼津工業高等専門学校研究報告』42, 365-374.
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◇ 寺嶋健史(2005)「英語教育における電子辞書事情 : 先行研究を概観して」『言語文化研究』 25(1), 55-71.
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少なくとも上の2本の論文を読む限り、今のところどちらが優れているとは一概に言えないというのが先行研究が言わんとするところのようです。双方の長所を念頭に、両者を上手に併用するというのも一つの方法かもしれません。

2010年10月24日日曜日

やさしい将棋英語

将棋 shogi; Japanese chess
将棋盤 shogi board
駒 shogi pieces

王将 king
飛車 rook 龍王 promoted rook
角行 bishop 龍馬 promoted bishop
金将 gold general
銀賞 silver general 成銀 promoted silver
桂馬 knight 成桂 promoted knight
香車 lance 成香 promoted lance
歩兵 pawn と金 promoted pawn; tokin

唐突ですが、将棋英語の話です。

そもそも将棋の元となったゲームはインドで起ったもので、それが西洋に渡ったものがチェスに、日本に渡ったものが将棋になったわけです。ともに源流が同じのためか、将棋はチェスと共通点が多いのですが、将棋の英訳にもこのあたりが反映されています。

将棋を "Japanese chess" と呼ぶのは言うに及ばず(日本でもチェスを西洋将棋と呼ぶことがありますよね)、駒の名称もチェスの駒に準じているようです。例えば、将棋の飛車はチェスのルークと全く同じ動きをするのですが、このためか、飛車の英訳は rook です。英語圏の人に分かりやすい英訳にしようという訳者の配慮からきたものなのでしょうか。

■ 将棋を英訳し、世界に紹介する動き

将棋を英語に訳して海外に紹介した本が既にあります。私が調べたところ、古くは、1979年の How to play Shogi。現在入手しやすそうなものでは、青野照市九段らによる Better Moves for Better Shogi です(『ここを直せば強くなる』の英訳か?)。いずれも John Fairbairn 氏が著者または訳者です。同氏は有名な方のようで、Wikipedia にも項目があります。

Wikipedia "John Fairbairn" の項目
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将棋を海外に広めようという動きはインターネット上でも盛んです。これについては他サイトや動画などに立派なコンテンツがありますので、興味のある方は調べてみるとよいでしょう。

2010年10月4日月曜日

Instant Word Power

Instant Word Power (Signet)語彙を増やす方法の一つに、語源を手がかりにする方法があります。語源の知識が十分にあれば、時には未知の単語でも、その意味を類推することもできます。

Norman Lewis のロングセラー Instant Word Power は、語源をもとに語彙を増やす学習書の一つです。豊富な穴埋め問題を解きつつ、読み進めていきます。とてもよく売れている本で、ネット通販でなくても、洋書コーナーのある書店であれば、店頭で見つけることができることも多いです。値段も手ごろで、1,000円以下でも買えます。

本書のレベルですが、なにしろ洋書ですし、語彙のレベルからしても、おおむね英検2級~準1級ぐらいの人に最適ではないかと思います。店頭で内容を確認し、自分に合うかどうか確認して買うのもよいでしょう。この本には巻末に単語の索引があるので、これらの単語が自分の語彙レベルからして難しいか易しいか確認するのもよいと思います。

なお、同じ著者が Word Power Made Easy という同種の本を出していますが、こちらはもう少し難しいです。本書の次のステップとして位置づけるのもいいでしょう。逆に、 Word Power Made Easy が少し難しいという人は、本書から始めてみるのもいいでしょう。

英単語は、一度覚えても繰り返し復習しなければ忘れてしまうものですが、本書は、そのあたりの配慮が行き届いています。本を読み進めるうちに、過去に出てきた単語を振り返ることができる構成になっています。

ただ、TOEIC や英検などの検定試験や大学受験の対策には、直結しそうな内容に思えません。試験とは直接関係なく、純粋に語彙を増やしたいという人向け。

2010年9月22日水曜日

日本史上の人物の姓名の順番

日本人の名前を英語で表記する場合、名前を先に、苗字を後にする場合を多く見かけます。例えば富重洋(とみしげ・ひろし)という名前の場合、英語なら Hiroshi Tomishige となります。ただ、最近の学校教育では Tomishige Hiroshi としているものが増えているとも聞きます。

しかし、これが日本の歴史上の人物についてとなると、話は少し違ってきます。Tomishige Hiroshi と、苗字を先にする場合が多いことを最近知り、不勉強の私は驚きました。その理由までは、今の私には分かりません。

日本史上の人物では、例えば「武田大膳太夫晴信入道信玄」という長い名前の人が時々いますが、この場合、どこが苗字でどこが名前だろう、英語ではどう表記すればよいのだろうと悩んでしまいます。これが、Takeda Daizen no Tayu Harunobu Nyudo Shingen と、そのままの順番が許されるのであれば、分かりやすいです。

それにしても、苗字・名前の順番が英語表記でも一般的な日本史上の人物とは、いったいいつの時代の人までを言うのでしょうか。とりあえず、Google ブックスで、いつの時代の人までが苗字・名前の順番で表記されることが多いのか、調べてみました。

[菅原道真]

Sugawara no Michizane:約6,900件 Sugawara Michizane:約4,940件 Michizane Sugawara:約666件

[北条時宗]

Hojo Tokimune:約2,160件 Tokimune Hojo:約210件

[徳川家康]

Tokugawa Ieyasu:約24,400件 Ieyasu Tokugawa:約4,690件

[坂本龍馬]

Sakamoto Ryoma:約4,120 件 Ryoma Sakamoto:約238件

[伊藤博文]

Ito Hirobumi:約31,800件 Hirobumi Ito:約4,610件

[尾崎行雄]

Ozaki Yukio:約9,840件 Yukio Ozaki:約4,840件

[東条英機]

Tojo Hideki:約10,900件 Hideki Tojo:約13,200件

[岸信介]

Kishi Nobusuke:約9,360件 Nobusuke Kishi:約7,440件

[田中角栄]

Tanaka Kakuei:約12,200件 Kakuei Tanaka:約16,400件

[竹下登]

Takeshita Noboru:約4,890件 Noboru Takeshita:約9,200件

東条英機から苗字が後で、これ以降時代が下るほど苗字が後の割合が高いです。ただ、岸信介は苗字が前です。どうもこのあたりが境目のようです。

2010年9月2日木曜日

日本のサブカルチャー、英字新聞を読んで知る

ラブプラス+私は子どもの頃こそ漫画やテレビゲームが好きでしたが、今やサブカルチャーにはほとんど興味を持っていません(ただし、大衆歌謡、特に演歌・歌謡曲は例外)。ひきこもりの人には、漫画やアニメ、ゲームが好きな人が多いとも言われているようですが、少なくとも私に限ってはそうでもありません。

ですが、海外の英字新聞で日本のサブカルチャーが紹介されると、つい読んでしまいます。サブカルチャー自体に関心があるというよりはむしろ、日本の文化が海外でどう紹介されているかが興味深く思えるからでしょう。

昨夜、アメリカの経済紙 Wall Street Journal アジア版のウェブサイトを開いたら、トップページに、"Only in Japan, Real Men Go to a Hotel With Virtual Girlfriends" という見出しと、ゲームの美少女キャラ画像が大きく出ていて、びっくりして読んでしまいました。日本の恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス+』や、それに夢中になる日本の若い男性、そしてゲーム製造会社とタイアップした熱海が取り上げられていました。なお、WSJ はこのニュースを動画でも配信したほか、ブログ "Japan Real Time" にも掲載、さらには紙面版でも大きく取り上げるなど、かなり大きく扱っています。

何年か前にも、たしかアメリカの新聞を読んで、日本のサブカルチャーを知った経験があります。yaoi という言葉が出てきて、若い男同士の恋愛模様(肉体関係含む)を描いた漫画が日本の一部の若い女性(女の子?)の間で流行っているという内容でした。私はこれを最初読んだ時は信じられなくて、自分の英語読解力がまだ不十分だから読み間違えたのではないかと思ったほどです。

英字新聞を読まなければ、こうしたことを知ることはなかったでしょう。ただ、あまり日本のことが面白おかしく書かれ、海外に発信されてしまうようなことになったら、いい気分はしません。

2010年8月21日土曜日

Oxford Dictionary of Englishにhikikomoriが掲載

Oxford Dictionary of Englishイギリスの辞書 Oxford Dictionary of English (ODE) の最新版に、日本語由来の hikikomori が掲載されたということで、日本でもニュースになっています。

このことは、先に、The Guardian などイギリスのメディアも報じていました。hikikomori 以外にも、様々な新語が掲載されたと紹介されています。

日本語圏でいうひきこもりは、英語圏ではそのまま hikikomori と訳されているのを見かけることは、確かに多いです。ただし、hikikomori の語が用いられる場合、多くはともに hikikomori とはどういうものか簡単な解説がついています。

ODE はイギリスの大型辞典です。最新版では355,000項目を収録し、ページ数も2,000ページ以上からなります。同じ出版社(Oxford University Press)が発行する老舗辞書の Concise Oxford English Dictionary よりもさらに規模が大きいです。1998年に最初に出版された The New Oxford Dictionary of English が前身で、Oxford 系英語辞典としては比較的若い辞書です。私は所持してはいません。

この辞書に hikikomori の語が掲載されたことが日本でニュースになるということは、この辞書はそれだけ重要な辞書ということなのでしょうか。私は ODE は、出版社が力を入れているということは感じていたですが、なにしろ比較的歴史の浅い辞書なので、そこまで重要には思っていませんでした。勉強不足だったのかもしれません。

この ODE と、New Oxford American Dictionary という大型米語辞典をもとにしたオンライン辞書サイトが Oxford Dictionaries で、私も時々利用しています。ここには hikikomori の語も載っています。語法や用例、そして語源の情報がよく載っている辞書サイトですが、それでも学習者用には、Oxford Advanced Learner's Dictionary の方が適していると感じます。Oxford Dictionaries はネイティブ向け。

2010年8月18日水曜日

The21 の英語特集

やや遅い話題ですが、PHP研究所から出ている雑誌『The 21』9月号に、英語学習の特集がありました。「海外経験ゼロでも英語ができる人はどのように勉強したのか?」というタイトルに、海外経験ゼロのひきこもり英語独習者の私は惹かれ、購入しました。ただ、「いまからでも間に合う!やり直し『英語勉強法』」というサブタイトルにもあるように、英語を勉強し直そうと考えているビジネスパーソンを主な対象とした特集でしたが、とりあえず読んでみることにしました。

英語教育のプロではなく、実際に英語を身につけてビジネスの世界等で活躍されている方に勉強法を聞き出す部分が巻頭記事になっているところが、いかにもビジネス誌らしかったです。この巻頭記事は、野口悠紀雄氏や勝間和代氏など、錚々たる(そうそうたる)顔ぶれです。もちろん、英語教育のプロによる英語学習法指導にもかなりのページが割かれてあります。

どこかで聞いたことがあるような話も多かったのですが、様々な英語学習の方法論を読み、自分の今の勉強法でよいのかどうか見直すよい機会になりました。こうした話を読むと、英語学習のモチベーションも上がるというものです。やはり英語を使える方は、よく勉強されています。すぐにでも楽に英語ができるようになるとか、そうした甘い話はありませんでしたが、かえって好感が持てました。分量も多く、お勧めアプリやブックガイドまであり、この特集で550円という価格は高くはありません。

それにしても、狙ってかどうかは分からないのですが、楽天の英語社内公用語化が発表されて間もなくこの特集が出たのは、タイムリーです。

2010年8月9日月曜日

やさしい文法英語(品詞編)

■ 文法:grammar ※grammer と綴らないよう注意。また、glamour は性的魅力。

■ 品詞:part of speech

■ 動詞:verb
◇ 他動詞:transitive verb ◇ 自動詞:intransitive verb
◇ 過去:past tense ◇ 過去分詞:past participle

■ 名詞:noun
◇ 可算名詞:countable noun ◇ 不可算名詞:uncountable noun
◇ 単数:singular ◇ 複数形:plural

■ 代名詞:pronoun ※pro(on behalf of)+noun

■ 形容詞:adjective
◇ 限定用法:attributive use ◇ 叙述(述語)用法:predicative use

■ 副詞:adverb ※ad(to)+verb。形容詞もadnounにすればいいのに。

■ 前置詞:preposition

■ 接続詞:conjunction

■ 間投詞:interjection

* * * * * * * * * *

■ 助動詞:auxiliary verb

■ 数詞:numeral

■ 冠詞:article
◇ 定冠詞:definite article ◇ 不定冠詞:indefinite article

[コメント]

品詞を英語でどう言うかは、特に英英辞典を使うときに知っておくと便利です(上から目線)。特に、verb、noun、adjective、adverb、それから、transitive、intransitive、countable、uncounatable、singular、plural あたり。限定用法については、attributive use などと専門用語を使わず、分かりやすく usually before noun とか only before noun などとする解説を私はよく見かけます。ただ、英英辞典では、例えば名詞を n とするなど、略称が広く使われています。もっとも、こうしたものは英英辞典を使っているうちに自然と覚えるかもしれませんが。

英語で書かれた文法書を読む際にも、こうした用語を知っておいた方がよいことはもちろんです。

それから、私が聴いているNHKラジオ「実践ビジネス英語」のクリスさんの解説の中にも、よく品詞の英語名が出てきます。

2010年7月30日金曜日

Poverty Trap-働けど貧しい

最近、poverty trap という英語表現を知りました。

失業していた人が仕事を見つけて働き出したとしても、それに伴い、生活保護等の政府からの手当てや控除類が減額されてしまい、貧しい状態から抜け出せない、そうしたことを意味する言葉です。

全国の一部の地域で、生活保護支給額と最低賃金の逆転現象が起きていることが問題になっている中、もっと知られてもいい英語表現です。

ただし、poverty trap は、違う意味で使われることもあります。それについては省略。

* * * * * * * * * *

最低賃金の引き上げが議論になっていますが、最低賃金を引き上げると、かえって失業率が上がる可能性があるのが難しいところです。

教科書的な説明をすると、完全競争市場では、最低賃金の引き上げは経済理論上失業者を増やす結果になります。直感的に言うと、低い賃金なら雇ってもらえた人が、雇われなくなるのです。例えば、ひきこもりの人が社会参加のきっかけとして始める低賃金の単純労働などは、最低賃金の引き上げでなくなってしまいやすそうな仕事です。

しかし、完全競争市場ではなく、企業が一つしかない需要独占の市場では、最低賃金の上昇が、失業率を上昇させる可能性が理論上あります。

実際のところはどうなのか、様々な実証分析が主にアメリカで行われてきましたが、現在のところ、経済学者は、最低賃金の上昇は失業率を増やすと考える傾向があります。


なお、poverty trap という表現は、Pocket Oxford English Dictionary(POD) で知ったのでした。この辞書をパラパラと引いていると、poverty trap という言葉がよく偶然目に入ります。

2010年7月28日水曜日

やさしいひきこもり英語-insecure, wallflower ほか

■ insecure [形 adj]

色々な意味がありますが、自分に自信が持てないという意味があります。be insecure about という使い方をすることがあります。

■ commencement ceremony [名 n]

直訳すれば「始まりの儀式」ですが、高校や大学の卒業式、学位授与式のこと。卒業は新たな人生の始まりということなのでしょう。ですが、中には卒業後にひきこもってしまう人もいます。こうした人にとって、commencement ceremony は、結果的にひきこもりの始まりのための式典になってしまいます。

■ apprenticeship [名 n]

見習い(期間)、実習(期間)などといった意味があります。

先日公開されたイギリスのNEETに関する報告書 Against the odd - Re-engaging young people in education, employment or training - の中で、この単語をよく見かけました。NEETの若者が、企業で apprenticeship として働くことを行政は促しています。

■ detached [形 adj]

色々意味がありますが、「孤立した」という使い方をすることもあるようです。Against the odd の中では、"detached young people" などという使い方がされていました。ただ、こういう用例は珍しいかもしれません。

■ ne'er-do-well [名 n][形 adj]

役立たずとかろくでなしといった意味です。私のことです。ne'er とは、never のことでしょうか。

英和辞典(紙の辞書)で NEET の項目を探していたら、すぐ近くに見つけました。

■ wallflower [名 n]

インフォーマルな表現で、パーティーなどでパートナーのいない女性、皆の輪に入れないシャイな女性のことを言います。壁際に立っている女性ということなのでしょう。日本語でそのまま「壁の花」と言うこともあります。

2010年7月26日月曜日

英語のsabotageは「怠業」ではない

怠業することを意味する日本の俗語「サボる」は、フランス語の sabotage(サボタージュ)からきた言葉……というのは有名な話です。

英語にも、やはりフランス語由来の sabotage という言葉があります。しかし、これを「怠業」「怠業する」という意味と考えると、えらい間違いです。

フランス語のことは私にはよく分かりませんが、少なくとも英語でいうところの sabotage は「工作」「工作する」というような意味です。ここでいう「工作」とは、「図画工作」の工作ではなく、「破壊工作」「妨害工作」「北朝鮮工作員」といった意味の工作です。

先日来日して話題になった金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚を、Japan Times は "Ex-North saboteur" などと表現しました。saboteur とは sabotage を行う人、つまり工作員という意味です。

こうした事実を踏まえると、sabotage という行為が、とたんに恐ろしく思えてもきます。気の弱い私などは、「俺、サポステ、サボろうと思うんだ」などという会話を耳にしようものなら、この人はサポステで何か破壊工作でもやらかそうとするのではないかなどとあらぬ想像を一瞬してしまいそうです。

※ サポステ:地域若者サポートステーション。ニート等の人を対象とした通所型の自立支援施設。厚生労働省が全国のNPO等に委託して行っている。

そういえば、私が高校生の頃、英語圏ご出身の先生が「サボる」という日本の俗語表現を妙に気に入っていらしたのを覚えています。ある日などは、職員室で、大変上機嫌に「サボる!サボる!アッハッハーッ!」と、この表現を連呼していました。この先生は、英語でいうところの sabotage の意味をやはりご存知だったのでしょうか。

2010年7月18日日曜日

教科書100回音読したぐらいで、暗記なんかできるか

ベストセラーとなった野口悠紀雄『「超」勉強法』で、英語の勉強法の一つとして、教科書を丸暗記する方法が紹介されました。なんでも、20回も音読すれば、文章を自然に覚えてしまうというのです。

それで、私も試してみたことがあります。私が好んで聴いていたNHKラジオ「ビジネス英会話」(現「実践ビジネス英語」)のテキストを20回音読してみました。自分にはちょうどよいレベルの教材でしたし、音読にはほどよいボリューム、内容も私には面白かったので、無理なく音読暗誦できるだろうと思えたからです。

ところが、文章を覚えるまでには至りませんでした。20回で足りなければ50回、それでも駄目なら100回と音読を繰り返しました。最終的に130回以上音読したのですが、テキストの内容は丸暗記どころか、ほとんど頭には入りませんでした。テキストの100回以上音読はしばらく続けたのですが、いつまで経っても同じ結果でした。

音読は、漫然とやっていたわけではありません。記憶に定着するように、少しずつ間を空けて試みるなど、工夫はしていたつもりでした。にもかかわらず、この結果です。

野口氏は20回音読で暗誦できたようですが、私は仮にその10倍の200回読んでも、テキストを暗誦できた自信はありません。私は頭が悪すぎるのでしょうか。それとも、野口氏が頭が良すぎたのでしょうか。

結局、テキストの音読暗誦は、自分には向かないのだと判断し、やめてしまいました。もしかしたら500回、ないし1,000回音読すれば暗記できたのかもしれませんが、それだけの回数テキストを音読する時間があれば、別の勉強方法を試した方が効率的ではないかと思われたからです。ですが、また音読暗誦を試してみようかと考え始めているところです。

2010年7月14日水曜日

省庁の英語名

省庁の英語名をまとめてみました。英語名の出典は、各省庁のウェブサイトです。

■ 内閣:Cabinet

◆ 内閣官房:Cabinet Secretariat

◆ 内閣法制局:Cabinet Legislation bureau

◆ 人事院:National Personnel Authority

◆ 内閣府:Cabinet Office
○ 宮内庁:(The) Imperial Household Agency
○ 公正取引委員会:Japan Fair Trade Commission
○ 国家公安委員会:National Public Safety Commission
・ 警察庁:National Police Agency
○ 金融庁:Financial Services Agency
○ 消費者庁:Consumer Affairs Agency

◆ 総務相:Ministry of Internal Affairs and Communications
○ 公害等調整委員会:Environmental Dispute Coordination Commission
○ 消防庁:Fire and Disaster Management Agency

◆ 法務省:Ministry of Justice
○ 公安調査庁:Public Security Intelligence Agency

◆ 外務省:Ministry of Foreign Affairs

◆ 財務省:Ministry of Finance
○ 国税庁:National Tax Agency

◆ 文部科学省:Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
○ 文化庁:Agency for Cultural Affairs

◆ 厚生労働省:Ministry of Health, Labour and Welfare
○ 中央労働委員会:Central Labour Relations Commission

◆ 農林水産省:Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries
○ 林野庁:Forestry Agency
○ 水産庁:Fisheries Agency

◆ 経済産業省:Ministry of Economy, Trade and Industry
○ 資源エネルギー庁:Agency for Natural Resources and Energy
○ 特許庁:Japan Patent Office
○ 中小企業庁:Small and Medium Enterprise Agency

◆ 国土交通省:Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
○ 観光庁:Japan Tourism Agency
○ 気象庁:Japan Meteorological Agency
○ 運輸安全委員会:Japan Transport Safety Board
○ 海上保安庁:Japan Coast Guard

◆ 環境省:Ministry of the Environment

◆ 防衛省:Ministry of Defence


[コメント]

省は英語で Ministry、庁は Agency、委員会は Commission です。特許庁、海上保安庁、運輸安全委員会は、この点、例外的です。

文部科学省は、Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology と長ったらしい名称ですが、日本語名よりもこちらの方が、省が扱っている分野がはっきり分かるとは思います。総務相も、英語名の方が分かりやすく感じます。国土交通省の英語名には、日本語名にはない Tourism(観光)が入っています。

Labour に Defence と、イギリス式綴りですが、なぜなのでしょう。

2010年7月7日水曜日

やさしいひきこもり英語-discouraged, diffident ほか

■ discouraged [形 adj]

encouraged の反意語で、やる気をそがれたとか、落胆したといった意味です。

労働統計に関するものを読んでいると、ときどき discouraged workers という言葉を目にします。これは、雇用情勢がよくないため職探しを諦めた人のことを意味します。日本で言うニートには、この discouraged workers が含まれていると考えられます。

discouraged workers は求職活動をしていないため完全失業者にはカウントされません。雇用情勢が改善しても失業率がなかなか上向かないことがありますが、それは、こうした人たちが職探しを再開したから、という説明を聞くことがあります。

■ diffident [形 adj]

シャイだとか、自分に自信がないといった意味です。different ではありません。語源も違います。Diffident is different from different.

■ outcast [名 n][形 adj]

社会から受け入れられず追放された人、家までも失った浮浪者というような意味です。私などは、「昭和枯れすすき」という演歌を思い出します。

「昭和枯れすすき」の歌詞 ← goo 歌詞へのリンク。
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■ pariah [名 n]

社会からの、のけ者。南部インドの最下層民という古い意味もあります。オンライン辞書 Oxford dictionaries によると、語源は17世紀始めのタミール語(インド南部などで話されている)だそうです。

■ ostracize [動 v]

グループなどから追放する、村八分にするという意味です。古代ギリシャのオストラキスモス(陶片追放)を由来とする言葉。

Yahoo!辞書(大辞泉)「オストラシズム」の説明
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■ shun [動 v]

物や人を意図的に避けるという意味です。

2010年7月4日日曜日

POD に関する紀要論文

Pocket Oxford English Dictionary英語の辞書には、やはり学者も関心を寄せているようで、CiNiiで検索すると色々とヒットします。

※ CiNii:学術論文情報を検索の対象とする論文データベース・サービス。国立情報学研究所が提供

先日お話した Pocket Oxford English Dictionary(POD)についても、いくつかヒットしました。そのうち、無料で読むことができる学術文献は次の2本です。いずれも古い版の POD に関する論文ですが、私は読んでみました。感想を書いてみます。

◇ 今里智晃(1993)「PODに採用された日本語」『広島大学総合科学部紀要 Ⅴ 言語文化研究』19, 33-46.
(新しいウィンドウで開く)

◇ 藤本和子、山本千之(1993)「The Pocket Oxford Dictionary of Current English 改訂第8版の Usage Notesについて」『英語英文学研究』17(2), 87-107.
(新しいウィンドウで開く)

■ 「PODに採用された日本語」

前者は、論題通り POD に採用された日本語についての紀要論文です。たしかに我々日本人からすれば、どうしてこの単語が採用されて、あの単語が採用されないのかと、不思議に感じます。最新の第10版ではどうなったのでしょうか。

調べたところ、第10版では、mikado は無くなりましたが、hara-kiri, ju-jitsu, kamikaze, rickshaw, samurai, tycoon は残っています。ただ、このうち少なくとも tycoon(大君)は、確かに古い日本語かもしれませんが、現在でも business tycoon というような使い方をしますので、言葉の由来はともあれ、POD に載せる意味はあるのではないかと私などは思います。

私は POD 10版では、manga という日本語が載っているのを見つけました。ですが、anime や otaku は載っていませんでした。

■ 「The Pocket Oxford Dictionary of Current English 改訂第8版の Usage Notesについて」

POD 10版にも、Usage Note があります。先ほども、接続詞 like を「のような」という意味で使うことの是非について試しに POD で調べてみたところ、ちゃんと説明が載っていました。学習英英ほどではありませんが、こうした配慮は私のような英語学習者にとってはありがたいです。

それにしても、POD は昔と今では全く違うというネットで知った情報は間違いではなかったのだと、この論文を読んで感じました。

2010年7月1日木曜日

日本の政党の英語名(H22年7月版)

参議院選挙が近づいてきました。そこで、日本の政党の英語名をまとめてみました。各政党のウェブサイトや、参議院、衆議院のウェブサイトの情報をもとにまとめました。

■ 民主党(The Democratic Party of Japan)

世界各国で見られる政党名ですが、"of Japan" がついています。英字新聞では、よく DPJ という略称表記を見ます。

■ 国民新党(The People's New Party)

"The People's" は「国民の」、"New Party" は「新党」。

□ 自由民主党(Liberal Democratic Party)

世界各国で見られる政党名で、特に "Liberal Democratic Party of Japan" と呼ぶこともあります。英字新聞ではよく LDP という略称で書かれてあります。

□ 公明党(New Komeito)

"Fair Party" とか "Clean Party" などと英訳しそうになりますが、これが正しいです。"New" がついているのは、新進党に合流したときに、一度解党したからでしょうか?

□ 日本共産党(Japanese Communist Party)

"Communist" には「共産主義者」という意味のほかに、形容詞で「共産主義の」という意味もあるそうです。

□ 新党改革(New Renaissance Party)

改革クラブ時代は Japan Renaissance Party と名乗っていました。

□  社会民主党(Social Democratic Party)

世界各国で見られる政党名です。

□ たちあがれ日本(The Sunrise Party of Japan)

"Stand up, Japan" と英訳した人がいますが、少なくとも現在は上の訳が正しいです。

□ みんなの党(Your Party)

なかなか一次情報が見つからなかったのですが(同党ウェブサイトや衆参両議院ウェブサイト英語版では見つかりませんでした)、海外メディアはこう訳していますし、同党のウェブサイトのドメインも、www.your-party.jp ですし、たぶんこれで間違いないだろうと思います。

□ 幸福実現党(The Happiness Realization Party)

参議院で議席を持っていたのですね。知りませんでした。

※ 新党大地(New Party Daichi)

公式ウェブサイトの最下部に、Copyright(C)2005New party DAICHI All Rights Reserved. の記載がありました。

※ 新党日本(New Party Nippon)

同党ウェブサイト英語版には New Party Nippon と書かれているのですが、参議院ウェブサイトには The Nippon という表記が見られます。

※ 無所属(Independent)

「無所属」と言うとどこにも所属していないという印象を受けますが、"Independent" と言うと独立して活動しているという印象を受けます。

2010年6月30日水曜日

Pocket Oxford English Dictionary

Pocket Oxford English Dictionary結局、Pocket Oxford English Dictionary(POD) を買いました。

これは昔からある、多くの人に使われてきたネイティブ向けの辞書です。私がこの辞書を買ったのも、英語学習者の間で広く使われてきた有名な辞書だから、一度は手に取っておくべきだという考えがあったからでもあります。

かつては、教養ある人がひくような辞書だったそうですが、現在は "It will be particularly useful for secondary-school students" 云々と序文に書かれてあるほどで、読みやすい辞書です。私も American Heritage(アメリカのネイティブ向け辞書)のマスマーケット版と比較してみたのですが、POD の方が定義が易しく書かれています。イギリスの辞書とアメリカの辞書を比べるというのも変な話ですが。

OALDLDOCE といった学習英英の定義は易しくてやや物足りないが、本格的なネイティブ向け英英は難しいと私は感じていましたので、これぐらいの辞書がちょうどいいのかもしれません。ただ、POD は定義は易しいかもしれませんが、あくまでネイティブ向けで、英語を母国語としない人向けの配慮はない、私にとっては高度な辞書です。POD には十分には載っていない語法や用例、発音記号等を調べるために、まだまだ学習英英には頼らなければなりません。

この辞書、Pocket という文字を冠してはいるものの、普通のポケットには入りきらないほどの大きさです。大きさ、重量、ともに中辞典ほどの規模です。寸法は Amazon.co.jp等 に記載がありますから省略しますが、重量は私の台所の測りで900グラム近くありました。ちなみに、前回名前を出した Oxford Learner's Pocket Dictionary は店頭で見たところ、本当に小さかったです。私は根性で POD を持ち歩こうと思います。

[関連記事]

◇ Pocket Oxford American Dictionary

2010年6月16日水曜日

Oxfordの英英辞典をAmazon.co.jpで

Oxford 大学出版局の英英辞典を Amazon.co.jp の「なか見!検索」でひくという、貧乏臭いことをやっています。

無料のウェブ辞書なら、いくらでもあります。Oxford Advanced Learner's' Dictionary(オックスフォード現代英英辞典)をはじめ、日本でよく売れている Longman English Dictionary(ロングマン現代英英辞典)ほか、無料で利用できるいいオンライン英英辞典がたくさんあります。しかし、私が買おうかどうか検討している辞書については、オンライン版はありません。そこで、「なか見!検索」を使って実際にひいてみて、購入の際の参考にしようと考えているわけです。

* * * * * * * * * *

私が購入を考えているのは小型の英英辞典で、Pocket Oxford English DictionaryOxford Learner's Pocket Dictionary のどちらかにしようと迷っています。

前者は昔からある有名なネイティブ向けの辞書です。収録語数はそれなりにあり、語源まで載っているのですが、一方で、定義が難しめだったり、発音記号が載っていなかったりするなど、英語を第二言語として学ぶ者に対する配慮が薄いです。

後者は、英語を母国語としない人向けに書かれた辞書です。英語学習者用に分かりやすく丁寧な辞書ですが、一方で、収録語数が少ないです。

ついでに、今のところ購入は考えていないけれども、いつかは欲しいなと思いながら Concise Oxford English Dictionary を「なか見!検索」でひくこともあります。これも、昔からある有名なネイティブ向けの辞書です。中~大型?の辞書です。

もっとお金があれば、いっそのこと全部買ってしまうのですが。

2010年5月25日火曜日

やさしいひきこもり英語-hermit, adrift ほか

■ hermit

社会と離れてひきこもる人を意味しますが、主に宗教上の理由によるものを指します。

英和辞典では、「(宗教的な理由による)隠者」「世捨て人」という訳をよく見かけますが、私などは、この単語に関しては英英辞典の説明の方が分かりやすいです。興味のある方は英和辞典と英英辞典の説明をを比べてみるのもいいでしょう。

hermitage という言葉もあります。こちらは、隠者の住居などの意味です。

hermit crab というとヤドカリのことですが、なぜこのような言い方をするのか、私は知りません。

※ 関連語 seclusion

■ adrift

ボートなどが漂流しているという意味ですが、そこから比喩的に、社会から取り残され、人生の目的を見失った、といった意味もあります。辞書によっては、この比喩的な意味は載っていないことがあります。

ひきこもっている人は、ボートが漂流しているイメージといまいち合いません。自宅などにこもっているイメージで、漂流とは違います。

■ wash one's dirty linen in public

linen は下着のこと。直訳すると、「人前で~の汚れた下着を洗う」ですが、「内輪の恥を人前にさらす」という意味です。Don't wash your dirty linen in public. はことわざにもなっています。

ひきこもりの人は、知られたくない内輪の恥と見ている家族がいるかもしれません。私は汚れた下着と同類なのでしょうか。

■ sedentary lifestyle

座ることが多い生活様式。ひきこもりの人は、座ってばかりの時間が多いような気がします。

こうした生活様式が長らく続くと、どういう影響が出るのでしょう。太るとか。生活不活発病、廃用症候群になるとか。どうなのでしょう。

2010年3月12日金曜日

辞書の付録、読んでますか?

電子辞書はどうか知りませんが、紙の英和辞典や和英辞典、英英辞典には、巻末や巻頭に付録がついていることが多いです。思えば、私、これをほとんど読んでいません。みんな、読んでいるのでしょうか。

付録の中にはなかなか面白いものもあります。例えば、『ウィズダム和英辞典』の巻末付録には、「句読法」「自己紹介のポイント」「イーメールの書き方」など、英文ライティング上の実践的なテクニックがコンパクトにまとめられています。また、Oxford Advanced Learner's Dictionary(第7版)には、巻末に100ページ以上にわたる付録があり、固有名詞、文法、英文ライティングほか、英語を学習、運用する上で役立つ様々なことがまとめられています。『リーダーズ英和辞典』(第2版)などは、学習用辞典ではないので付録などないだろうと思いきや、世界史年表がついています。なお、付録でよく見かけるのは地図ですが、これはあまり実用的でなく、それほど面白いとは私は思いません。

付録の中で紹介されているものの中には既に知っている知識もあるのですが、ところどころ抜けている知識もあります。これらが完璧に頭に入ると、力になるだろうと思われます。ひょっとすると、これらの付録があると、下手な参考書は買う必要がないのではないかとも思えるほどです。

これらを読まないとは、もったいないような気もします。私などはバラエティ豊かな学習英和、和英、英英辞典を買う時に、選ぶ基準の一つに付録の充実度を挙げることもあるのに、いざ買ってみると読まないのです。辞書を買ってしばらく経つと、付録の存在そのものを忘れてしまっているように思います。

2010年3月3日水曜日

やさしいひきこもり英語-between jobs, work avoidance, turn over a new leaf

■ between jobs

「失業している」という意味です。「失業中」を「仕事と仕事の間」という表現で表すとは、面白いです。I'm (in) between jobs right now. などという使い方をします。

もっとも、学校を中退したり卒業したりして以来ずっとひきこもって、一度も仕事に就いたことがない場合は、このフレーズは使いにくそうに思えるのでしょうが、どうなのでしょう。それならば、between school and job という言い方はどうでしょうか? I'm between school and job right now.……こんなフレーズは、ありません。

■ work avoidance

仕事の回避?学業の回避?自分で紹介しておきながら、私には意味がよく分かりません。

ちなみに私は、この言葉を、The Selective Mutism Resource Manualという、場面緘黙症の問題を抱えた、主に子どもへの支援法をまとめた本で見つけました。ここでは、文脈からして、学業の回避という意味にとれました。ですが、文脈によっては仕事の回避という意味で使われる場合もあるようです。詳しくはよく分からないのですが。

Google Books「work avoidance」
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■ turn over a new leaf

「心を入れ替える」「改心する」「心機一転する」などという意味。「新しい1ページをめくる」意味から。leaf は、ここでは「(本などの)1ページ」という意味です。

ひきこもりの人が、一念発起して新しい行動を起こした時、このフレーズは使えるのでしょうか。

私としては、「新しい1ページをめくる」よりは、「新しい章(節)に移る」という言い方の方が合っているような気がします。従来通りの生活を続けていても、ページは進んでいるのではないかと思うからです。

2010年2月27日土曜日

やさしいひきこもり英語-Mental Health and Welfare Center, Public Health Center

■ Mental Health and Welfare Center

各都道府県や政令指定都市に設置されている「精神保健福祉センター」のことです。ひきこもりの代表的な相談窓口です。地域によっては、「こころの健康センター」など別の呼称のところもあります。

政府系(自治体含む)サイトに公開されている文書や学術文献で、この英訳を見ます。

例えば、群馬県の精神保健福祉センターでは、Gunma Prefectural Mental Health and Welfare Center という言い方をします。

このほか、Mental Health Welfare Center、Mental Health Center、Center for Mental Health and Welfare for the Mentally Disabled、Center for Mental Health and Welfare という呼称も使われています。どうやら英語名は統一されていないようです。

■ Public Health Center

精神保健福祉センターとともに、ひきこもりの代表的な相談窓口である保健所のことです。単に Health Center という訳を用いている自治体もあります。

■ Hikikomori Regional Support Center

今年度から各都道府県や政令指定都市に設置された「ひきこもり地域支援センター」ですが、英訳が見つからなかったので、私が勝手にこう訳しました。

■ Ministry of Health, Labour and Welfare

上記支援機関の元締めである、厚生労働省のことです。"Labour" というイギリス英語式のスペリングが気になりますが、これが正しいです。嘘だと思う方は、厚労省HPを開いてみましょう。なお、Ministry of Health, Labor and Welfare というアメリカ英語式のスペリングも使われています。

2010年2月20日土曜日

YouTube で見ることのできる英語ニュース

今回は、YouTube で公開されている英語ニュースの動画へのリンク集です。どのニュースを取り上げるか、順番はどうか、等は私の好みで決めました。

※ リンク先のページには動画が埋め込まれています。動画が自動的に再生する場合があるので、ご注意ください。

■ 新聞

WSJDigitalNetwork
http://www.youtube.com/user/WSJDigitalNetwork
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FinancialTimesVideos
http://www.youtube.com/user/FinancialTimesVideos
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TheNewYorkTimes
http://www.youtube.com/user/TheNewYorkTimes
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WashingtonPost
http://www.youtube.com/user/WashingtonPost
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Los Angeles Times
http://www.youtube.com/user/losangelestimes
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USATODAY
http://www.youtube.com/user/USATODAY
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■ 通信社

REUTERS
http://www.youtube.com/user/reutersvideo?blend=3&ob=4
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AssociatedPress
http://www.youtube.com/user/AssociatedPress
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AFP
http://www.youtube.com/user/AFP
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Bloomberg
http://www.youtube.com/user/Bloomberg
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■ 雑誌

EconomistMagazine
http://www.youtube.com/user/EconomistMagazine
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NewsweekVideo
http://www.youtube.com/user/NewsweekVideo
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BusinessWeek
http://www.youtube.com/user/BusinessWeek
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NationalGeographic
http://www.youtube.com/user/NationalGeographic
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HarvardBusiness
http://www.youtube.com/user/HarvardBusiness
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■ TV

CNN
http://www.youtube.com/user/cnn
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ABC TV
http://www.youtube.com/user/abcnetwork?blend=1&ob=4
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NBC17 - WNCN
http://www.youtube.com/user/nbc17mync?blend=5&ob=4
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CBS
http://www.youtube.com/user/CBS
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PBS
http://www.youtube.com/user/pbs
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AlJazeeraEnglish
http://www.youtube.com/user/AlJazeeraEnglish
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2010年2月19日金曜日

続・あるイヤホンについて

Panasonic ステレオインサイドホン ブラック RP-HJE200-K私はいつでもどこでも英語のリスニング・シャドウイングができるよう、携帯用「カセットプレーヤー」(古い)をあちこちに持ち歩いています。そのため、イヤホンは欠かせません。

さて、今回の話題は、昨年2月に買った新しいイヤホン「Panasonic ステレオインサイドホン ブラック RP-HJE200-K」についてです。

使用4ヶ月目の昨年6月に、イヤホン付属のイヤーピースが外れるという問題が起きていました。それが、ちょうど使用2年目に入った先日、そのイヤーピースが外れて落ちるばかりか、どこに落ちたかが分からなくなり、なくしてしまう事態にまで発展してしまいました。

このイヤホンは耳の孔のサイズにフィットする「イヤーピース」(ゴムでできてる?)をとりつけて聴くタイプなのですが、このイヤーピース、何かの拍子に外れて無くなってしまわないかとかねてから心配していたのです。

幸い、もともと替えのイヤーピースが商品についていたので、今はそれをつけています。替えは2組あり、まだ大丈夫です。しかし、替えのイヤーピースはどれも私の耳のサイズにあまり合わないものばかりです。

このままのペースでいくと、1年後には今つけているイヤーピースを無くし、もう1年後には最後のイヤーピース1組をなくしてしまう計算です。このままだと、3年で使えなくなるイヤホン……。長いか短いか?

このイヤホンを買おうかどうか検討している方は、イヤーピースをなくすリスクを考慮に入れることをおすすめします。

[関連記事]

◇ NHJの英語版、イヤホンニートひきこもりJournal 別館
↑ 姉妹ブログ。イヤホンを買った当初の記事です。

◇ あるイヤホンについてひきこもり英語ブログ
↑ その記事の続編。

2010年2月13日土曜日

やさしいひきこもり英語-Youth Support Station, Youth Independence Camp

■ Youth Support Station または Wakamono Support Station

地域若者サポートステーションのことです。

Youth Support Station は内閣府の青少年白書(英語版)や、いくつかのサポステのウェブサイト等が用いている英訳です。Wakamono Support Station も、いくつかのサポステのウェブサイトで見られます。サポステのウェブサイトに複数の英訳が存在するところを見ると、どうやら公式の呼称が統一されていないと見えます。

なお、サポステについては以下のページ参照。厚生労働省ホームページへのリンクです。

地域若者サポートステーション事業について
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■ Wakamono Jiritsujuku, Youth Independence Camp, または Independence Camp for Youth

若者自立塾のことです。

正式な英語の呼称は私には分からないのですが、Wakamono Jiritsujuku はユネスコやOECDの文書、学術文献等に見られます。Youth Independence Camp や Independence Camp for Youth も、学術文献やOECD等に見られます。

なお、自立塾については、以下のページ参照。厚生労働省ホームページへのリンクです。自立塾は、事業仕分け(Budget Screening)の結果「廃止」の判定が出ましたが、来年度以降の自立塾についても触れられています。

職業能力開発情報
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サポステや自立塾の英訳については、もしかすると私が知らない他のものがあるかもしれません。気づいたら(そして、私が忘れていなければ)また加筆します。

2010年1月29日金曜日

English Grammar in Use で、英文法を基礎からやり直してます

English Grammar in Use With Answers (Book & CD-ROM) : A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Students of English , IntermediateEnglish Grammar in Use という本を読みすすめているところです。けっこう有名な本らしいです。

その名のとおり英文法の本です。英文法を一通り学び終えた中級者向けに書かれています。ただ、それほど高度なことが載っているわけではなく、基礎事項が多いです。内容は全て英語で書かれていますが、平易な英文です。ロングマンなどの中級者向け学習英英辞典を読みこなせるぐらいの人であれば、おそらく問題なく理解できるだろうと思います。

この本は、一つの文法事項を見開き1ページで取り扱っています。左側のページは文法事項の解説で、右側のページは問題演習という形式です。カラーで、イラストによる解説もあり、実に見やすいです。

私はしばらく文法の勉強をおろそかにしていたので、基礎事項の確認からやり直そうと思い、これを買いました。文法事項の解説を読むと、既に私が知っていることばかりで、楽勝と思いながら問題演習に移ったのですが、答え合わせをすると存外間違えてしまい、驚くとともに、「自分はこんな基礎事項も抜け落ちていたのか」とショックを受けました。

私が買ったものにはCD-ROMもついていたのですが、これはまだ見ていません(CD-ROMがついていないものもあります、そちらの方がやや安価です)。また、イギリス英語版とアメリカ英語版があるそうですが、私はそれを知らずに、イギリス英語版を買いました。

できるだけ毎日欠かさずこの教材を読み進めたいと思っています。この教材で勉強した成果は、私が書いている英語ブログ "Hikikomori - Social Withdrawal in Japan" で、少しずつではありますが出ているのではないかと思います(相変わらず、私の書く英文のレベルはひどいですが……)。

まだ全て読み終えていないのですが、読み終えればまた何か書くかもしれません。

2010年1月4日月曜日

やさしいひきこもり英語-gentleman, skeleton in the closet

■ gentleman

gentleman というと、「紳士」という意味がよく知られています。

実はこの gentleman には、「働く必要のない、高い社会階級に属する人」という意味もあります。ちゃんとした言い方をすれば、「有閑階級の人」となるのでしょうが。

働かなくても暮らしていけるという意味では、現代日本のニートと重なる部分もあるようにも思えます。もっとも、各種実態調査等によれば、ニートは必ずしも経済的に豊かな家庭から生まれるものではありません。玄田有史氏らが行った「青少年の就労に関する研究調査」(内閣府、2005年)によると、2000年代に入ると、ニートはむしろ経済的に貧しい家庭から多く生まれています。一方、厚生労働省が行った「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」(2007年)では、ニートを持つ家庭の経済状況は様々です。

なお、gentleman at large というと「定職のない人」、gentleman of the road というと「路上生活者」という意味です。どうして gentleman からこのようなイディオムが派生するのでしょうか。

■ skeleton in the closet(cupboard)

直訳すれば「戸棚の中のがいこつ」。しかしこれはイディオムで、「知られたくない家庭の秘密」のような意味です。

Every family has a skeleton in the cupboard「どんな家庭にだって、他人に知られたくない秘密がある」という文をよく見かけますが、この文章を検索すると、なぜか非英語圏のページがやたらとヒットします。

ひきこもっている息子というのも、隠しておきたい家庭の秘密でしょうね。私って、がいこつだったのでしょうか。