2010年7月4日日曜日

POD に関する紀要論文

Pocket Oxford English Dictionary英語の辞書には、やはり学者も関心を寄せているようで、CiNiiで検索すると色々とヒットします。

※ CiNii:学術論文情報を検索の対象とする論文データベース・サービス。国立情報学研究所が提供

先日お話した Pocket Oxford English Dictionary(POD)についても、いくつかヒットしました。そのうち、無料で読むことができる学術文献は次の2本です。いずれも古い版の POD に関する論文ですが、私は読んでみました。感想を書いてみます。

◇ 今里智晃(1993)「PODに採用された日本語」『広島大学総合科学部紀要 Ⅴ 言語文化研究』19, 33-46.
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◇ 藤本和子、山本千之(1993)「The Pocket Oxford Dictionary of Current English 改訂第8版の Usage Notesについて」『英語英文学研究』17(2), 87-107.
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■ 「PODに採用された日本語」

前者は、論題通り POD に採用された日本語についての紀要論文です。たしかに我々日本人からすれば、どうしてこの単語が採用されて、あの単語が採用されないのかと、不思議に感じます。最新の第10版ではどうなったのでしょうか。

調べたところ、第10版では、mikado は無くなりましたが、hara-kiri, ju-jitsu, kamikaze, rickshaw, samurai, tycoon は残っています。ただ、このうち少なくとも tycoon(大君)は、確かに古い日本語かもしれませんが、現在でも business tycoon というような使い方をしますので、言葉の由来はともあれ、POD に載せる意味はあるのではないかと私などは思います。

私は POD 10版では、manga という日本語が載っているのを見つけました。ですが、anime や otaku は載っていませんでした。

■ 「The Pocket Oxford Dictionary of Current English 改訂第8版の Usage Notesについて」

POD 10版にも、Usage Note があります。先ほども、接続詞 like を「のような」という意味で使うことの是非について試しに POD で調べてみたところ、ちゃんと説明が載っていました。学習英英ほどではありませんが、こうした配慮は私のような英語学習者にとってはありがたいです。

それにしても、POD は昔と今では全く違うというネットで知った情報は間違いではなかったのだと、この論文を読んで感じました。

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