2009年9月17日木曜日

やさしいひきこもり英語-school refusal

school refusal は、直訳すると「学校拒否」です。学校が児童生徒を拒否するのか、児童生徒が学校を拒否するのか、いろいろ想像が膨らみますが、実は言うとこれは、日本で言う「不登校」「登校拒否」のことにほかなりません。

私は、この school refusal という言い回しには、いつも違和感を覚えています。なにやら、児童生徒が能動的に登校を拒否するようなニュアンスを感じるからです(もしかしたら、そういうニュアンスはないのに、私が勉強不足でそうしたニュアンスを感じているだけなのかもしれませんが)。

とあるアメリカの論文は、不登校を「学校に出席することについての深刻な感情的苦しみ; 不安やかんしゃく、うつ、身体症状を含むこともある」(Severe emotional distress about attending school; may include anxiety, temper tantrums, depression, or somatic symptoms)と説明しています(Fremont, 2003)。これを refusal という言葉で表現するのは不適切です。

なお、似て非なる言葉に truancy があります。これも、学校に通っていない児童生徒を意味することに変わりはないのですが、「怠学」という意味です。

不登校や怠学の話は英語圏でも聞くことがありますが、ひきこもりについては、どういうわけか、英語圏ではほとんど聞きません。

[関連ページ]

◇ 不登校は日本だけでの問題ではない。なのに、ひきこもりは…?ニートひきこもりJournal

[文献]

◇ Fremont, P.W. (2003). School refusal in children and adolescents. American Family Physician, 68(8), 1555–1561.

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