2009年4月9日木曜日

教科書の英文を日本語に訳す授業

私が高校の頃、英語の授業はリーディング(読解)とグラマー(文法)に分かれていました。そのうちリーディングは、もっぱら教科書の英文を日本語に訳すというものでした。今でも、こうした教育が行われているのでしょうか。

授業の前に、「予習」として、次の授業で進むと思われる箇所まで予め訳してくるよう求められました。そして、授業の日にはランダムに当てられて、指定された箇所を訳すよう言われました。ですから、私たちは、予めノートに自分が考えた日本語訳を書いて、授業の日に当てられられると、ノートに予めまとめておいた日本語訳を読むという、そうしたことをやっていたわけです。私たちが訳した後、最後に、先生が正しい訳を示します。

このような授業には、もちろん意義があるだろうと思います。その生徒がその英文を本当に理解しているかを知るには、このように英文を訳させるとよく分かるだろうと思います。また、大学入試などでは、英文和訳の問題が出ることも多いです。

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ただ、今現在、毎日英語に触れている私は、英文和訳など滅多にしません。英字新聞や英文雑誌、洋書を読むときに、いちいち英語を日本語に訳して内容を理解するとか、そうしたことはほとんどしません。

英文は英文のままで理解しているのです。そうしければ、英文を読むのに時間がかかってしようがありません。

よく、リーディングの授業で、「後ろから訳すんだ」と先生がおっしゃっていました。英語は主語の後にいきなり動詞がきて、その後に細かい説明が続くので、後ろから訳すとうまくいくということです。英文を英文のままで理解するには、そうではなく、頭からそのまま後ろまで一気に目を通して、そのまま理解しなければなりません。

おそらく、英語を日常的に使っている日本語ネイティブのほとんどは、英文は英文のまま理解しているのではないかと思います。英文を日本語に直すなど、特定の職業に就いている人でもない限り(翻訳家や通訳など)、英語を使っている人はあまりしないのではないかと思います。

こうしたことは、「使える英語」を身につける上でとても大事なことではないかと思うのですが、私は学校の授業では教えてもらえませんでした。受験対策がなにより大事で、そこまでの余裕はなかったのでしょう。私は独学の訓練で、英文のまま理解する力を身につけたのでした。

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