英英辞典は、大きく二つに分けることができます。一つは、英語を外国語や第二言語として学ぶ人たちを対象にしたものです。もう一つは、英語圏のネイティブにとっての国語辞典です。
私たち日本の英語学習者が使う英英辞典は主に前者です。一般の書店でもよく見かける『ロングマン現代英英辞典』『オックスフォード現代英英辞典』『コウビルド新英英辞典』は、前者の代表選手です。
今回お話しする Merriam-Webster's Essential Learner's English Dictionaryは、こうした学習用英英辞典の新顔です(2010年発売)。
これはペーパーバックの小型辞書です。辞書としては安く、$9.95という価格です。反面、字はやや小さく、紙質は必ずしもよくなく、一色刷りでカラフルでは全くありません。
Merriam-Webster というと、アメリカ人を対象にした老舗英英辞典が有名ですが、2008年に Merriam-Webster の名を冠したノンネイティブ用の学習英英辞典『メリアム・ウェブスター英英辞典
』が出ています。おそらく、それを親辞書として生まれたものではないかと思います。
この辞書の基本的な情報ですが、収録語数は54,000以上、イディオムは15,000以上、用例は78,000以上です(いずれも公称の数字)。また、寸法と重量を手持ちの定規と量りで調べてみたところ、それぞれ17.9cm×10.4cm×6.1cm(Amazon.co.jpで公開されている寸法と、特に高さが違います)と約700gでした。
用例が豊富で、用例をして語らしめる辞書という印象です。語法の表記が、先にご紹介した『ロングマン』や『オックスフォード』のような5,000円近くする立派な辞書に比べると不親切のようにも感じますが、豊富な例文をじっくり見ることである程度読み取ることができます。
この種のペーパーバックの小型辞書はアメリカのネイティブを対象とした辞書に多かったのですが、今回は学習用英英辞典です。ハンディで安価なので、線を引いたりしながら、いよいよとなれば使い捨て感覚で使うことができます。
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